昭和65年発行の1万円硬貨が使われた事件が謎すぎる

昭和65年発行 1万円硬貨 産経新聞

2017年1月、北海道のコンビニで不思議な事件が起こりました。
コンビニにてニセモノのお金を使用し、商品などをだましとった疑いで1人の男が逮捕されたのです。

概要だけ見れば、単に偽物のお金を使っただけの詐欺事件ですが、この事件で不思議なのは使われた偽物のお金が「昭和65年発行の1万円硬貨」という存在しないお金だったこと。
そしてその存在しないはずのお金が使われた事件が過去にもあるというのです。

【2020年5月9日追記】
昭和65年発行の1万円硬貨について遂にその正体がわかりましたので追記させていただきます!

(画像は産経新聞の記事より引用)





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「昭和六十五年」の1万円硬貨を使った謎の詐欺事件

2017年1月に奇妙な事件が起こりました。
北海道函館市のコンビニにてニセモノのお金を使用し、商品などを騙しとった疑いで1人の男が逮捕されたのです。

買い物を装って1万円の記念硬貨1枚の模造品を使用し、1500円分の商品とお釣り8500円余りをだまし取ったとして、詐欺の疑いで岐阜県の派遣社員の男が逮捕されました。

そのニセモノの1万円記念硬貨には、実在しない昭和六十五年の刻印と、現実の硬貨にはない橋のような図柄”が裏面に刻まれていたのです。
これは実際にニュースとして報道され、テレビや新聞などで取り上げられました。

ご存知のとおり日本の歴史において「昭和65年」は存在しません。
昭和は64年までで、その昭和64年もわずか7日で終わり、翌日から平成元年となりました。
昭和65年という年号は存在しないのです。

この1万円記念硬貨は、いたずら目的で作られた偽物ということで処理されているようですが、実際に使用されている500円や100円硬貨の偽物を用意するならともかく、偽の1万円硬貨という見た瞬間にニセモノと気づかれる犯罪をなぜ行ったのでしょうか。

さらに・・・捜査機関が偽1万円硬貨を鑑定にかけたところ、高価な希少金属が使われるなど上質な材料が使われ、鋳造技術も大蔵省造幣局と比べて遜色ないレベルだったというのです。
これほどまでに精巧な1万円の硬貨を、本当にいたずら目的という理由だけで誰かが作ったというのでしょうか?

この事件が奇妙である点はこれだけではありません。
「昭和65年の硬貨」はこの事件の他でも使われた例があるのです。

他にも発見されている「昭和65年製の硬貨」

2012年5月、茨城県つくば市内のコンビニでも同じような事件が起こりました。
1万円記念硬貨の模造品を使ったとして、つくば市の建築作業員の男が詐欺の疑いで逮捕されています。

昭和65年発行 1万円硬貨 日経新聞

日経新聞より画像引用

1万円記念硬貨を使い、清涼飲料(147円)を購入してお釣りをだまし取った疑い。
硬貨に「昭和六十五年」と記されていたことから、売上金を確認した店長が不審に思い、事件が発覚しました。
記事によると容疑者は「(硬貨を使えると思った」とし、容疑を否認しているそうです。

画像を見ていただければわかると思いますが、つくば市の事件と函館市のコンビニで使われた一万円記念硬貨は全く同じものなのです。

一万円記念硬貨の他にも、「昭和六十五年」と刻印された硬貨は度々見つかっています。
小さなニュースだったからか報道元を辿ることはできなかったのですが、「昭和六十五年」の100円硬貨は平成20年と26年にそれぞれ1枚ずつ、「昭和六十五年」の500円硬貨が平成17年に発見されているようです。
いずれも一万円記念硬貨と同様に「いたずら目的で作られた偽物」ということで処理されています。

そして信頼のおける情報ではないかもしれませんが・・・Yahoo!知恵袋に気になる書き込みを複数見つけました。

ヤフー知恵袋 昭和65年 1万円硬貨

Yahoo!知恵袋より画像キャプチャー

ヤフー知恵袋 昭和65年 1万円硬貨

Yahoo!知恵袋より画像キャプチャー

ヤフー知恵袋 昭和65年 1万円硬貨

Yahoo!知恵袋より画像キャプチャー

一番古い書き込みは2004年です。
2012年のつくば市の事件より前の書き込みなので、事件を知って便乗した書き込みとは考えにくいですね。

いずれの質問も、回答のコメントで「昭和六十五年の硬貨は存在しない」と一蹴されています。
しかし「存在しない」とするには書き込みが多いような・・・

思っている以上に「昭和六十五年」の硬貨は世の中に出回っているのかもしれません。

1万円硬貨についての仮説

この事件の考察をする前に知っておいていただきたいのですが、一万円の記念硬貨そのものは実際に存在します。

調べてみると、1万円記念硬貨は

「天皇陛下御在位60年記念」
「長野オリンピック記念(第1次)」
「長野オリンピック記念(第2次)」
「長野オリンピック記念(第3次)」
「天皇陛下御在位10年記念」
「2002FIFAワールドカップ™記念」
「2005年日本国際博覧会記念」
「天皇陛下御在位20年記念」

の8種類が過去に発行され、「天皇陛下御在位60年記念」だけが銀貨で他は金貨となっています。
詳しくはウィキペディアの「日本の記念貨幣」に詳しく書かれていますのでご参照ください。

記念貨幣としての「1万円硬貨」は過去にいくつも発行されています。
もちろん実際に通貨として使えるので、商品を買おうとレジに出すことも可能です。
私は過去にレジのバイトをしていたことがあるのですが、100円や500円の記念硬貨を混ぜて支払いされることが時々ありました。

昭和65年製の一万円記念硬貨について、考えられるのは次の3つの説です。

昭和が何年までかを知らないどこかの国が偽造した
試鋳貨が出回った
おもちゃのお金やキーホルダーについていたもの

それでは一つずつ考察していきましょう。

仮説①昭和が何年までかを知らないどこかの国が偽造した

両替やお釣り目的で詐取するため、1万円硬貨を偽造したというわけですね。
日本ではない国が偽造したのなら、「昭和六十五年」という存在しない年号を刻印してしまったのも説明できます。

しかし・・・実際に使用されている500円や100円硬貨ならともかく、なぜ存在しない1万円硬貨をわざわざデザインし偽物を作り上げたのでしょうか?
「橋の図柄」がデザインされた 1万円硬貨は天皇陛下在位50年記念100円玉と酷似しています。

天皇陛下在位50年記念100円玉

天皇陛下在位50年記念100円玉

しかし「10000」と書かれた表面はどの記念硬貨とも似ておらず、わざわざデザインして作られたものと思われます。

そもそも偽の硬貨を作るためには、偽のお金をデザインし、プレスに使う金型を作り、材料の金属を手に入れて製作する必要があります。
「紙幣」の偽物を作った方がずっと手軽だと思うのですが・・・

仮説②試鋳貨が出回った

硬貨を量産する前に、造幣局では幾度となくデザインの検討がなされます。
この試作品の硬貨のことを「試鋳貨」といいます。
問題の1万円硬貨はこの試鋳貨が何かの間違いで流出してしまったというわけですね。

日本の造幣局は世界でも指折りのセキュリティ体制であるため、本来ならば試鋳貨が出回ることはありません。
しかし平成13年に現行の500円玉の試鋳貨が流出する事件が起こっています。

また、発行されるはずだったのに中止になった貨幣も存在します。
昭和20年に粘土で作られた一銭陶貨は、発行前に終戦を迎えたため流通しませんでいた。
昭和25年・26年の銘がある10円洋銀貨は、朝鮮戦争が起こったため材料のニッケルが高騰し、発行されていません。
しかしどちらの貨幣もごく一部が流出し、10円洋銀貨にいたっては25万円前後のプレミアがついているそうです。

問題の1万円硬貨も、そうした試鋳貨のひとつなのでしょうか。
しかしとある雑誌の記事でコイン商に確認してみたところ、問題となった1万円硬貨のようなお金は見たことも聞いたこともないとのことだったそうです。

仮説③おもちゃのお金やキーホルダー

おもちゃ お金
私はこの説が可能性が高いと思っています。
例の一万円硬貨を見てみると、二つの事件で使用された硬貨はどちらも上の部分に小さな穴が空けられています。

子ども用のおもちゃのお金には、誤用や悪用を防ぐためにパンチ穴が空けられているのです。
また、お金を模したキーホルダーも実際に売られており、上部の穴は金具を通すために空けられていると考えられます。

筋が通る話のように思えますが・・・それでも疑問は残ります。

子ども用のおもちゃのお金はパンチ穴が空けられているほか、実際の貨幣より大きくしたり、プラスチックで作ったりと一目見てニセモノとわかるようにわざと作っているのです。

しかし2017年の函館市と2012年のつくば市の事件では、コンビニの買い物で使用され一度店員が受け取っています
ニセモノとわかったのも、「昭和六十五年」という存在しない年号に気づいたから。
画像を見ると、函館市の事件の1万円硬貨は細かいキズが目立ち、かなり使用感があるように見えます。

利用者が本物だと錯覚するほど精巧なおもちゃを作る必要性は果たしてあったのでしょうか。

また、おもちゃのお金やキーホルダーだったとするなら、ある程度の数量が生産され、世の中に出回っているはずです。
そうだとすると、これほどネット上で騒がれた事件にも関わらず、「そのキーホルダーを持っている」「○○で売っているのを見た」といった、おもちゃのお金やキーホルダーについて報告や書き込みがSNSなどに一切見られないのはあまりにも不自然です。

それから「お金キーホルダー」で画像検索するとわかるのですが、

お金キーホルダー

「お金キーホルダー」を画像検索してキャプチャー

そういったキーホルダーは金具を通すため、お金の部分に穴を開けるのではなく、突起部を作って金具を通しているのがほとんどなのです。

「昭和65年の硬貨」はパラレルワールドから来た?

昭和65年の硬貨の謎について都市伝説的に語られているのが、「1万円硬貨はパラレルワールドから持ち込まれた」という説です。

私たちが認識している世界以外にいくつも存在しているといわれる平行世界(パラレルワールド)。
数あるパラレルワールドの中には昭和64年に昭和天皇が崩御されずに昭和65年を迎え、紙幣ではなく1万円硬貨が流通している世界があるのかもしれません。

「昭和65年の1万円硬貨」は、そんなパラレルワールドからお金が混入してきた、あるいはそのパラレルワールドから来た人間が持ち込んだものというのです。
つくば市の事件を見てみると、捕まった男は「(硬貨を)使えると思った」と話していました。

男はなぜ1万円”硬貨”を使えると思っていたのでしょうか?

もちろん「騙そうという気はなかった」と主張することで、罪を軽くしようという目論見があった可能性はあります。

ですがもしかしたら・・・
元いた世界と同じように「昭和65年の1万円硬貨」を買い物に使っただけだったとすると、逮捕された男はパラレルワールドの住人だったのかもしれません。

【追記】昭和65年の1万円硬貨の真相がわかりました!

遂に「昭和65年の1万円硬貨」の正体がわかりましたので追記させていただきます!

どうやらコスモスという会社がつくったジョーク商品、つまりはおもちゃのようですね。

 

昭和65年1万円硬貨

画像引用元はこちら

画像は昭和65年ではなく昭和75年、後ろに「子供銀行」の文字があるという違いはありますが、同一のものと考えて差しさわりないでしょう。

未来のお金という設定で昭和75年となっており、画像引用元のサイト様の説明にも「わりとお金に近い重さなのでサイフに入れたら、うっかり自販機とかでいれちゃいそうで怖いです……。」と紹介されています。
一番可能性が高いと思っていた仮説③のおもちゃのお金ということで確定のようです。

おわりに

「昭和65年の1万円硬貨」は少し前の事件ですが、伝え聞いた話ばかりのオカルトの話とは違い、新聞にも掲載されていた話なので今回紹介させていただきました。
「昭和六十五年」の100円玉や500円玉は思ったよりも流通しているようです。

もしかしたら、あなたのお財布の中に紛れ込んでいるかもしれません。

最後の項目でお話ししたパラレルワールドは、通称8分違いのパラレルワールドと呼ばれ、その存在や様々な憶測が飛び交っています。
「8分違いのパラレルワールド」までは自分の考えがまとまらなかったので、今回は詳しく書くことができませんでした。
機会があれば記事にできたらと思います。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。