おぼない 公式HP(http://obonairyokan.com/)より画像引用
座敷わらしが住む家は栄え、見た者には幸運をもたらしてくれると言われています。
柳田國男先生が著作『遠野物語』で紹介されているように、やはり座敷わらしといえば岩手県でしょう。
事実、岩手県には座敷わらしに関係する旅館は一番多く存在しています。
座敷わらしに出会えると噂されている宿を、由来やエピソードと一緒にまとめました!
関連記事 → 岩手県の他にもある座敷わらしに出会える宿

座敷わらしとは
座敷わらしとは、主に岩手県に伝えられる、家に住み着く精霊のような存在のことを言います。5~6歳の子どもの姿をしており、髪はおかっぱ、またはざんぎり頭。
男女両方の座敷わらしがいるそうで、
男の子の場合は絣か縞の黒っぽい着物を、
女の子の場合は赤いちゃんちゃんこや小袖、振袖を着ていると伝えられています。
いたずらが好きで、足跡を残したり、夜中に音を立てたり、寝ている人の布団の上にまたがったり枕を返したりします。
座敷わらしの姿を見た人には幸福がもたらされると言われています。
座敷わらしに会った後、出世したり仕事でうまく行ったりなど、良いことがあったという体験談が多く寄せられています。
それでは、岩手県で座敷わらしに会える宿を紹介していきます!
金田一温泉 緑風荘

緑風荘 公式HP(http://www.zashiki-warashi.co.jp/)より画像引用
座敷わらしに会える宿として最も有名なのが金田一温泉にある緑風荘です。
緑風荘に住む座敷わらし
緑風荘に出る座敷わらしには、亀麿(かめまろ)という名前がついています。緑風荘のオーナーの家を守る先祖の守り神で、6歳の時に病気で亡くなる時、
「私はこの家を守る」
と言って息を引き取ったのだと伝えられています。
緑風荘は本館と別館で構成され、特に多く座敷わらしが目撃されていたのが槐(えんじゅ)の間と呼ばれる部屋でした。
当然のことながらこの部屋の人気の高さは凄まじく、
1週間の予約期間に3年分の予約を電話受付していたものだから、受付開始する度に回線障害が起きるほどだったのだとか。
しかし座敷わらしは館内のいたるところで目撃されており、槐の間以外にも姿を見せていることから、座敷わらしの方から姿を見せる人を選んでいるのではないかと言われています。
幸運に恵まれた人物
緑風荘に宿泊した後に幸運に恵まれた有名な人物として、
- 原敬が東北遊説の際に緑風荘に宿泊した後、総理大臣に就任した
- 松下幸之助が宿泊後、事業を世界規模に展開することになる
- 稲盛和夫が宿泊後、事業の立て直しに成功
- ゆずがストリートミュージシャンからメジャーデビュー
他にも、
- 水木しげるが座敷わらしに出会ったと雑誌で語っている
- つのだじろうが緑風荘に奉納した座敷わらしの絵の目がテレビ放映中に動いた
といったエピソードが伝えられています。
作家・三浦哲郎の「ユタと不思議な仲間たち」は、緑風荘の座敷わらしからインスピレーションを受けて書いたもので、その後、作家として全国にその名を知られるようになったといいます。
とても良いお話です!
また、柔道の神様とうたわれた三船久蔵十段は、座敷わらしと取っ組み合い、軽くいなされたという話が残っています。
火災により焼失
緑風荘は2009年に火災に見舞われてしまいます。火災で宿は全焼してしまったのですが、不思議なことに緑風荘の中庭にある亀麿の祠だけは焼けずに残ったのだとか。
そして幸運にも宿泊客全員が無事だったそうです。
この火災の時、着物姿の子どもが祠に逃げ込んだ姿が目撃されています。
また、緑風荘の火災を報じるニュースで過去の映像を流した時に、映像の隅に女の子の姿が映し出されていたという話もあります。
緑風荘は2016年5月より営業を再開しており、現在はネットにて予約を受け付けています。
金田一温泉郷 緑風荘
岩手県二戸市金田一字長川41
公式HP http://www.zashiki-warashi.co.jp/
おぼない

おぼない 公式HP(http://obonairyokan.com/)より画像引用
緑風荘と同じく、金田一温泉郷にある割烹旅館「おぼない」。
地図で見ると緑風荘のすぐ近くにある建物で、距離にすると200メートルといったところでしょうか。
地元のテレビでも幾度も紹介されており、料理と名物女将の接客が好評を読んでいるお宿です。
楽天トラベルでも何度も取り上げられているのだとか。
そしておぼないにも座敷わらしが出没するという噂があるのです。
旅館内で写真を撮るとオーブが撮影されたり。
また、子どもの宿泊客はいないのに、深夜に子どもの声が聞こえたり、気配を感じたり。
そういったお客さんの声が増え、いつしか新聞にも取り上げられるようになりました。
目撃情報を書いたメモが、宿の一角に貼り出してあります。
ちなみにおぼないは、緑風荘が火災に遭った時、宿泊客が避難した宿でもあるのです。
2013年には、食事の美味しい温泉旅館東北で3位に選ばれた実績もあり、とても評判のよい旅館です。
おぼない
岩手県二戸市金田一湯田43-5
公式HP http://obonairyokan.com/
菅原別館

菅原別館 公式HP(http://www.zashikiwarashi.jp/index.html)より画像引用
岩手県盛岡市にある菅原別館。
公式HPのトップに「出世の宿」と銘打ってありますね。
この菅原別館の座敷わらしは、大女将さんの実家を火災から守った火の神様だと言われています。
大女将の実家は、江戸時代より三百数十年にわたり旅館(本陣)を営む一族でした。
代々この家より出た者は、皆東北各地にて旅館を創め、そして大女将もまたそれに倣い、この盛岡の地にて旅館を営んでまいりました。(現在では、当館が一族最後の旅館となりました。)
さて、大女将の実家には家の中に代々火の神様が村の鎮守として祀られていました。この火の神様は座敷わらしでもあります。
座敷わらしは火事の前触れを教えるといい、またこの炎を防ぐ力があるとされ、江戸時代の大火事で村の大半が消失してしまった時も、実家は炎に囲まれたにもかかわらず、火の神様(座敷わらし)のおかげで火事を免れる事ができたそうです。
この座敷わらしが大女将の嫁入り当時についてきて、宿泊しているお客様の前に時折現れるようになったのです。
(菅原別館 公式HPより引用)
座敷わらしは民俗学の創始者・柳田國男が著した「遠野物語」で有名になりました。
遠野物語の座敷わらしの話は、菅原別館の三代前の当主が、祖母ユミから聞いた昔話を柳田國男に語ったものを編集したものなのです。
「客間24番」という部屋に座敷わらしがよく出ると言われています。
その「客間24番」は、別名「出世の間」と呼ばれています。
ここで座敷わらしに出会うと仕事に成功できるそう。
また、客間22番、客間23番の部屋も座敷わらしの気配が強いと言われています。
広い部屋の中で、座敷わらしが走る音を聞いた宿泊客が絶えないとか。
そして「客間25番」は内装がかわいらしく、女性に人気の部屋となっています。
揺れ動くモービルが飾られており、「動かして」とお願いすると座敷わらしが動かしてくれると言われています。
この部屋に泊まった後に子宝に恵まれたという話も多く寄せられています。
菅原別館
岩手県盛岡市天神町1-30
公式HP http://www.zashikiwarashi.jp/index.html (※音楽が流れます!)
民宿わらべ

民宿わらべ 公式ブログ(http://tonowarabe.exblog.jp/)より画像引用
民宿わらべは岩手県遠野市にある個人経営の民宿です。
民宿わらべの近くには1200年前に開山された早池峰神社があり、その神社から座敷わらしが移り住んできたという話があるのです。
宿のオーナーが早池峰神社から車で帰ってきてトランクを開けた時、男の子と女の子が飛び出し、宿の中へ入って行ったのだそうです。
それから宿の経営が好調になったとか。
それ以降、わらべに遊びに来る小学生が座敷わらしを目撃したり、深夜、お客さんの枕元に座敷わらしが座っていたという話が寄せられるようになりました。
公式のホームページではなく公式ブログ があり、時々更新されています。
ですがこのブログからは予約はできず、料金・施設の案内などは見れない状態です。
そしてカテゴリーはあるのですが、記事の投稿がない・・・
予約はおそらく電話にて行うのでしょう。
電話番号や住所、施設情報などは、遠野市の観光案内に情報がありますので、そちらから調べた方がよさそうです。
民宿わらべ
遠野市附馬牛町上附馬牛19-59-1
公式ブログ 民宿「わらべ」通信(http://tonowarabe.exblog.jp/ )
遠野市観光協会公式サイト http://www.tonojikan.jp/
民宿とおの

民宿とおの 公式HP(http://www.minshuku-tono.com/)より画像引用
岩手県遠野市にある、民宿とおの。
こちらは座敷わらしよりも、囲炉裏を囲んで味わう料理やどぶろくが有名のようです。
公式ホームページには「座敷わらし」についての記載はありません。
ですが座敷わらしに会える宿として口コミ・体験談が多く寄せられています。
- 写真を撮ると丸い光の玉が写っていた
- すうっと動く光の玉を目撃した
- 座敷わらしと思しき気配を感じた
- お客さんから「シーツがないので持って来てください」と言われ宿の人がシーツを持っていくと、すでにシーツが敷いてあった。お客さんからは「さっき女の子が持って来てくれたよ」と言われた。
こちらの座敷わらしは、ゆかりちゃんと呼ばれているそうです。
立地もJR釜石線遠野駅のすぐ近く。
20台の無料の駐車場もあるので、電車でも車でもアクセスがとてもいい宿となっています。
宿泊施設予約サイトでも、リーズナブルで夕食時のサービスも良いと好評価の宿です。
民宿とおの
岩手県遠野市材木町2-17
公式HP http://www.minshuku-tono.com/
予約は電話の他、楽天トラベルでも受け付けています。
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仙養館
仙養館も金田一温泉にある旅館ですね。メディアには一切露出しない方針なのか、公式サイトなどは確認できませんでした。
仙養館が話題になったのはYouTubeに投稿された、仙養館で撮影された動くオーブの映像から。
しかし話題になるよりも前から、座敷わらしの目撃情報はたくさん寄せられていたようです。
口コミ・体験談を読むと
- オーブが写真・映像で撮影される
- カメラ等の精密機械の不具合、データが勝手に削除されている
- 部屋の中で、宿泊客以外の気配を感じる
- 夢の中で、誰かと会話を交わした
- 枕元で足音を聞いたり、温かい何かの気配を感じた
- 早朝、「おきれー」という声で目が覚めた
という投稿がされています。
建物は古いですが、中は清潔に掃除されており、女将さんの人柄が温かくて素敵な方とのことです。
ただ、部屋によってはトイレがついてない部屋があるらしく、予約時に確認された方がよいですね。
金田一温泉 仙養館
岩手県二戸市金田一字大沼 24
公式HPはないので、宿泊予約をされる際はじゃらんなど、宿泊施設予約サイトを利用されるのがよいでしょう。
民宿 御伽屋

民宿御伽屋 公式HP(http://www.minshuku-tono.com/)より画像引用
民宿御伽屋も座敷わらしが出没するらしいと噂のあるお宿ですが、目撃情報やどういった云われがあるのかはわかりませんでした。
ですが、こちらのお宿の御主人が遠野の民話と歴史風物を研究されている方で、とても面白い話が聞けるそうです。
当民宿では表面的な観光施設を巡るお上り観光では無く、遠野をもっと掘り下げて知りたいという方にはじゅうぶんな情報を提供できます。
他(観光案内所・観光雑誌・観光パンフレット等々)で知る事のできない、聞く事のできない話しや場所・情報などを知りたいという方々は、どうぞ当民宿をご利用ください。
時間が空いた時には、無料ガイドも致します。
日中に行けなかった場所等、お気軽に相談していただければ、ご案内して差し上げます。(民宿御伽屋 公式HPより引用)
御主人の時間がある日には、夜の遠野を楽しむ「怪奇体験ツアー」も実施されているとのことです。
民宿 御伽屋
岩手県遠野市新穀町2-7
公式HP http://otogiya.jimdo.com/
民宿 苫屋

Youtube(https://www.youtube.com/watch?v=l1h5ADIZ5XQ)より画像キャプチャ
まるで日本昔ばなしに出てきそうな古風な宿、苫屋。
こちらは築150年の曲がり屋を改装した民宿&カフェで、テレビ「ナニコレ珍百景」にも取りあげられたことがあります。
なんと電話のない宿として有名で、宿の予約は“手紙”で行うとのこと。
手紙で予約していただくことによって、文字から年令や性別、どういう人なのかを想像しながら、若い人なら夕飯は肉や魚を多めにしたり、高齢の方であれば野菜を多めにしたり。
ご主人夫婦なりのおもてなしの心がそこにあるのです。
口コミでその魅力が広がり、今では海外からお客様が来るのだそうです。
食事はご主人夫婦が無農薬・不耕起で育てた野菜が創作料理にアレンジされ、囲炉裏の部屋で夕食をいただきます。
そして、座敷わらし住むといわれる隠れ宿でもあります。
座敷わらしを見た人の話しによると、座敷わらしは着物姿のかわいい女の子で、「春ちゃん」と名乗ったそうです。
こちらの民宿は、カフェとランチは予約不要。
飛込みの宿泊もできるとのことですが、満室の場合があります。
それから冬季は休業していますので注意してください。
民宿 苫屋
〒028-8201 岩手県九戸郡野田村大字野田5-22
公式HPはないので、観光協会のアドレスを載せておきます。
野田村観光協会(http://www.noda-kanko.com/kankou/stay/tomaya.html )
おわりに
座敷わらしに出会えるという噂の宿を紹介してまいりました。岩手県を含め、東北地方にはまだ足を運んだことがないのですが、
今回紹介したお宿に泊まり、いつか体験レポートとして紹介できたらいいなと思っています!
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
関連記事 → 岩手県の他にもある座敷わらしに出会える宿

