初詣の時、神社ではなくお寺にお参りされる方もいらっしゃるでしょう。
参拝の作法のほとんどは、神社のお参りの仕方と同じです。
ですが、柏手を打ってはならないなど、お寺ではしてはならない作法もあるのです!
そんな注意点を織り交ぜつつ、お寺の参拝方法をまとめてみました!
神社のお参りの作法について知りたい方はこちら!
神社とお寺の違い
神社もお寺も、漠然とありがたい場所、神聖な場所と認識されていると思いますが、その違いをご存じでしょうか?神社はその場所に宿る自然物や、剣や鏡などがご神体となり信仰の対象となっています。
一方、お寺の崇拝対象は、仏像と仏舎利(お釈迦様の御骨)となっています。
仏像はお寺の本堂に安置され、仏舎利は塔におさめられています。
現在では仏像を拝むのが多数派です。
簡単な見分け方として、鳥居があるのが神社、お墓があるのがお寺です。
山門の前で一礼

お寺の山門は、神社でいうところの鳥居と同じ。
人が暮らす世俗世界と聖域とをわける結界の役割を果たしています。
仏様に敬意を表して山門の前で一礼。
もしくは合掌して山門をくぐり、境内に入ります。
この時、敷居は踏まずにまたいでください。
思ったより高さがありますので、着物でお参りをされる際は注意してください。
神社のお参りと同様に、参道では真ん中を避けて端の方を歩きます。
手水舎で手と口を清める
必ず、手と口を清めてから参拝しましょう。水は古くから穢れを洗い流すものと考えられ、参拝の際は、最初に日常でついた穢れを手水舎で落とします。
清め方の順番は神社でのお参りと同じです。
手水の順序
①右手で柄杓を持って水をすくい、左手を洗う
②左手に柄杓を持ち替えて右手を洗う
③もう一度柄杓を右手に持ち左手に水をため、その水で口をすすぐ
口をすすいだら、使った左手ももう一度水で洗う
④最後に残った水で、柄杓を縦にして水が柄杓の柄を伝うように洗う
鐘をつく

お参りをするお寺に鐘楼がある場合、本堂に入る前に鐘をつかせてもらいましょう。
鐘を鳴らすのは、仏様へ参詣する際のご挨拶です。
ただし、お寺によっては鐘をつくのを禁じている場合もありますので、必ず事前に確認してください。
注意点
参拝後に鐘を鳴らすのは「戻り鐘」「出鐘」といい、忌み嫌われている行為です。鐘は参拝する前に鳴らしてください。
ロウソクとお線香を上げる
本堂の前にお線香を焚く香炉が置いてあります。線香の煙で体をさすって身を清めましょう。
防災のため、ロウソクとお線香をおいていないお寺もありますが、用意されている場合は是非献香してください。
お線香の香りには、仏様をもてなすという意味があります。
注意点
先の参拝者が立てたロウソクから火を受けると「その人の業を受ける」と言われています。縁起が悪い行為ですので、ロウソクは自分で火をともしましょう。
参拝をする
①一揖し、お賽銭を納め鰐口(わにぐち)を鳴らす賽銭箱の上に鐘が吊してあれば、綱を振って鐘を鳴らしましょう。
②胸の前で合掌して、祈願する
両手を胸の前で合わせ、お祈りをします。
合掌とは、仏様と一体になることを意味しています。
宗派によっては、指を組んで合掌する方法もあります。
③一揖する
最後に頭を下げます。
注意点
お寺では、神社のお参りのように柏手を打たないように注意してください!合掌するときに数珠を手に持ってお祈りをします。
お賽銭

神社とお寺とでは、お賽銭の意味合いが異なります。
神社の場合は、神様に日頃の感謝の気持ちをお伝えするために賽銭を納めます。
お寺の場合は、自分の欲を捨てる「お布施」という修業の一つだと考えられています。
金額の決まりはありませんので、自分が払える金額、感謝する気持ちで決めましょう。
縁起が良いといわれているお賽銭の金額として次のようなものがあります。
お賽銭の金額
5円 「御縁がありますように」
5円2枚 「重ね重ね御縁がありますように」
29円 「 福がきますように」
5円10枚 「 五重の御縁がありますように」
日本らしい言葉遊びですね。
ですから無理にこの金額をおさめる必要はありません。
10円玉は「とおえん(遠縁)」の語感につながり縁が遠ざかると言われているので避けた方がよいでしょう。
参拝が終わったら
山門をくぐった後、山門に向かい直し、再度一礼することが作法となっています。初詣の帰り道は寄り道をしないでまっすぐ帰ったほうがいいそうです。
途中で寄り道などをしてしまうと、せっかくお参りでいただいた福を落としてしまうからです。