(https://ja.wikipedia.org/wiki/深泥池)より画像引用
1200年を超える長い歴史を持つ京都には、人の血が流れた場所が多数あります。まさに古都にして魔都。
京都には曰く付きの土地や幽霊がよく目撃される場所が、あちこちに散在します。
そんな京都で、清滝トンネルと並んで恐れられている心霊スポット「深泥池」を紹介します。
国の天然記念物に指定されている深泥池
京都市北区の市街地を北上し、細い道を進んでいくと、鬱蒼とした湿地帯が目の前に広がります。その湿地帯の中央に、周囲1.5km面積9haほどの小さな池、深泥池があります。
「深泥池」の読み方ですが、「みどろがいけ」、あるいは「みぞろがいけ」と呼ばれています。
二通りの読み方が存在し、特段の統一がなされていません。
深泥池の表記通り、何層もの泥が蓄積された泥池となっており、
池の中央には、植物の遺骸が泥炭化して形成された「浮島」があります。
深泥池は氷河期からある池で、その歴史はなんと14万年。
現存する日本最古の天然の池と言われています。
そのため、氷河期からの生き残りとされる生物と、温暖地の生物が共存している、学術的に非常に貴重な池なのです。
中でも深泥池の植物群落はとても貴重なもので、国の天然記念物にも指定されています。
さらに深泥池には、世界で唯一水中で生活する蜘蛛、ミズグモが生息することでも知られています。
その深泥池が、知る人ぞ知る京都有数の心霊スポットになっているのです。
タクシードライバーが語る「タクシーの消える女」

周囲が標高200メートルの山に囲まれた深泥池は、かつては底なし沼と思われていました。
最近の調査により、実際には最大水深が20メートルほどの池であることがわかっています。
しかし深泥池の底には数メートルにもおよぶ泥が堆積しており、水深が浅くても、池にはまり込んだら抜け出せないという構造になっているのです。
そのため、
- 深泥池の底には多くの溺死体や白骨が沈んでいる
- 昔から何人もの人間が入水自殺をした
- 池の側で幽霊を見た
- 池の畔を人魂が飛んでいるのを見た
という噂がまことしやかに囁かれているのです。
その中でも、深泥池にまつわる心霊体験談で一番有名なのは「消える女」にまつわるタクシー運転手の話でしょう。
雨が降りしきる或る夜のこと。
一台のタクシーが京大病院前で一人の女性客を乗せた。
女はひどく陰気で、「深泥池まで」と言ったきり黙ってしまい、うつむいたまま一言もしゃべらず、ただ窓の外を眺めている。
「なぜこんな時間に深泥池に…?」
運転手は不審に思いながらも、言われた通りに車を走らせた。
池の近くまで来て「着きましたよ」と後ろを振り返ると・・・
女の姿は消え、ぐっしょり濡れたシートに女性のものと思しき髪が残されていた。
驚いた運転手は警察に通報し大掛かりな捜索が行われたが、結局何も見つけられなかった。
後にタクシー運転手はある事実を知る。
女をタクシーに乗せた雨の夜、京大病院で女性が一人亡くなっていた。
その女性は、深泥池周辺に住んでいたという。
東京の青山墓地が舞台となっているバージョンを筆頭に、全国で「消える女」の話は広がっています。
この「消える女」の怪談の発祥の地が、深泥池だと言われているのです。
「京都市内のタクシーは深泥池行きのお客は断っても乗車拒否扱いにならない」
なんていう都市伝が語られているほど。
新聞にも載るほどその類いの現象が多発しているそうです。
近いうちにデータベースを調べてみ裏づけをとりたいと思ってます
「タクシーの消える女」の他にもある深泥池の怖い噂

深泥池にまつわる怪談は、「タクシーの消える女」の他にも語られています。
- 深泥池の近くにある精神病院の患者が、錯乱状態に陥って何人も入水自殺をしている。その霊が深泥池に出没する
- かつて結核が不治の病であった頃、 多くの結核患者が深泥池に飛び込み自殺をした
- 事故で大型バスが深泥池に落ちたのだが、 遺体は一体も見つからなかった
- 深夜、女の霊が池の縁を漂うように歩き回っている
- 草むらの中で手招きする老婆がいる
- 水際を歩いていると何者か足を掴まれ、池の底に引きずりこまれる
- 深泥池の周りを右回りと左回りに一人ずつ、違う方向に向かって同時に歩き始める。普通なら二人は池の外周のどこかで会うはずなのに、一度も会わずに一周してしまう
嘘か本当かわからない、深泥池にまつわる怖い噂。
その中に一つ気になるものがありました。
深泥池は平安時代から、鬼が棲んでおり、魔の入り口として人々から恐れられていたのです。
深泥池に棲まう妖たち

深泥池は「あの世」と「この世」の境界だと考えられていたようです。
平安時代、深泥池は鬼が貴船からの出入り口に使っていたと言われていました。
伝承によると、
鬼たちが都に出没し人々を困らせていた。
ある時、鬼の会話を立ち聞きした者がいて、鬼たちは貴船の奥の谷に棲み、地下の道を通って深泥池の畔の穴から地上に出てきていることがわかった。
そこで、深泥池の穴に鬼が嫌う豆を投げこんだところ、それから鬼が出ることはなくなった。
それ以来、この鬼の穴の跡に節分の豆を捨てるようになったのだという。
深泥池のほとりには「豆塚」という塚があり、節分で使った炒り豆を紙で包み、この塚に捨てに来るという習慣が昭和の初期まであったのだそうです。
貴船とは貴船神社のこと。
深泥池から北西の方向にあります。
そして末社、牛一社では”牛鬼”が祀られている・・・
丑の刻参り
牛一社の”牛鬼”
裏切られた男を呪い、鬼になった”橋姫”
本来、清らかな水の神様を祀る貴船神社には、なぜか”鬼”のイメージが強く付きまとっています。
水の神様が濁るのを嫌って、濁点をふらないようにしたから
そんな貴船神社と関連づけて考えられた深泥池も、人の世界とは違う”異界”と昔の人は考えていたのでしょう。
その他にも、和泉式部が
「名を聞けば 影だに見えじ みどろ池に 住む水鳥の あるぞ怪しき」
と歌っているように、平安時代の昔から恐ろしい場所と思われていたことが見てとれます。
室町時代の説経節「小栗判官」にも、深泥池に大蛇が棲むという話が伝えられています。
鬼、大蛇、消える女・・・
時代が移り、畏怖の対象が変わっても、人が深泥池を恐れる気持ちは昔から、そして今なお存在しているのです。
おわりに
深泥池へは、京都市営地下鉄の烏丸線・北山駅を降りて北上、鞍馬街道を道なりに進んだ先にあります。多くのサイトで「本当に危険な場所」だと言っており、
「暗くなった時間帯には絶対に訪れてはいけない」と警告しています。
霊能力者の方が深泥池を霊視した時のことがHPに載せられており、気になる記述があったので引用させていただきます。
私が霊視した結果をお伝えしますと、まずこの池にはかなりの数の精霊や動物霊が棲み着いています。
それらに混じって人霊も垣間見られ、その多くは自殺者の地縛霊、さらに近辺で非業の死を遂げた浮遊霊や怨恨霊もいました。
それらの霊が生きていた時代も様々で、古くは平安時代の衣装をまとった貴族らしき男性や血みどろの鎧武者の姿なども感知しました。
さらに一部の人霊は動物霊と融合しており、蛇の胴体に人の顔をつけた霊や、人の獣の肉体がアンバランスに混ざり合った霊などがいて非常に気味が悪かったです。
ほとんど妖怪化しています。宜保鑑定事務所(http://www.gibo-kantei.com/)より引用
この池の霊たちには、総じて人間に対する悪意があるようです。
しかも彼等は淀み水が発する瘴気によって活性化しているので、霊感体質の人間が無防備に近づくと憑依されるかもしれません。
ただ霊を見るだけではなく、人によっては霊障などの実害を被る可能性もある危険な場所です。宜保鑑定事務所(http://www.gibo-kantei.com/)より引用
周囲には民家も多く、先述のとおり病院もあります。
天然記念物に指定された大変貴重な生態系もあります。
肝試しで深泥池を訪れるとしても、地域住民や生態系に迷惑をかけることのないよう、節度ある行動をとられることを切に願います。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。