この記事の目次
瞑想とは
瞑想とは集中力を高めるトレーニング
「瞑想」と検索すると、多くのサイトで思考を止め、心を無にすること
と説明されていますが、これは正しくありません。
なぜなら思考を完全に止めることはできないからです。
瞑想とは、自らの呼吸やマントラなどのフレーズに意識を傾け、集中力を高めるトレーニングです。
人の心や意識は、よく「井戸」に例えられます。
そしてその井戸の水は、溜まった泥が巻き上げられて濁り、底まで見通すことができません。
溜まった泥を巻き上げているもの。
それはあなたの「思考」です。
瞑想とは、集中することによって「思考の波」をおさえ、あなたの井戸の水、すなわち心を澄んだ状態にする作業なのです。
動きたがる脳

電話で長話をした時、メモ帳やチラシの裏に、ペンで意味もなく絵や図形など、グリグリと落書きしてしまった経験はありませんか?
長電話をしている、
これは言語を司る左脳が活発に動いている状態です。
そして、活動している左脳に対して、直感や芸術を司る右脳はヒマな状態でもあります。
長電話中に意味なく落書きする行為は、手持ち無沙汰になった右脳がしでかしたことなのです。
このように、私たちの脳は起きている間は絶えず活動し、思考を繰り返しています。
その回数、一日あたりおよそ5万回。
そのうち90%が、ほぼ毎日考えているような、いわば無駄な思考なのです。
人間が取り入れた酸素の30%が脳で使われています。
その脳が行っている思考の90%が、毎日繰り返している無駄な思考なのです。
どれだけのエネルギーが無意味に使われているかお分かりでしょう。
押し寄せる思考の波を抑えることができれば、あなたの心をクリアにすることができます。
心がクリアになれば井戸の底、すなわち、より深くにある意識を覗くことができるのです。
瞑想に宗教は必要ではない

瞑想のルーツを辿ると、仏教やヒンズー教に端を発します。
確かに瞑想といえば、禅僧や修行僧が行うイメージで、宗教色の強い印象があります。
それでは何かの宗教に入らなければ、信仰心がなければ瞑想はできないのでしょうか?
こんな疑問に対し、ダライ・ラマ法王は
「信じる信じないに関わらず、瞑想は可能である」
と述べています。
実験心理学の見地からも、瞑想はスピリチュアルなものではなく集中力に関するものといっています。
そのため、意識を集中させるときに用いる言葉は、その言葉の内容を問わないとされています。
だから、瞑想時に唱える言葉は、サンスクリットの真言でも神の御名でも構わないのです。
宗教には「祈り」という行為をよく目にします。
その大まかな共通点は、瞑想の特徴とよく似ています。
目を閉じ、呼吸と心を落ち着ける。
そして真言や神の名といった言葉を唱える。
キリスト教では「アーメン」
インドでは「オン」
仏教では「南無」
日本では「阿吽」
これらの言葉の語感にも、どこか共通点を感じます。
瞑想とは、人類史で宗教が生まれるよりも前から存在した、普遍的な行為なのです。
脳科学から見る瞑想
集中とリラックス

集中している時、脳の中はどのように活動しているのでしょうか。
体感的には、右脳も左脳も総動員、脳全体がフル回転しているようなイメージがあります。
しかし実際に脳波を測定してみると、集中している時の脳は、全体ではなく一部分だけが物凄い勢いで活動しているのです。
ちなみに、普段は活動部位が散らばっており、脳のあちらこちらで脳波が発生している状態です。
脳が集中している状態に、似ている状態が他にもあります。
それは脳がリラックスしている時です。
集中とリラックス。
まるで正反対の活動に思えますが、脳で起きている現象としては同じなのです。
ただし、集中している時とリラックスしている時では、発生している脳波が異なります。
集中時にはβ波が、リラックス時にはα波が出ています。
瞑想をしている時に発生する脳波は、リラックス時のα波です。
そして、瞑想時に活動している脳の箇所はA10神経という部位と言われています。
A10神経
これは「愛」を司る脳の部位とされています。
交感神経と副交感神経

交感神経とは、人がストレスを感じた時に活発になる神経です。
大勢の前で発表したり、口喧嘩したりする時といった場面を思い浮かべてみてください。
心臓が大きく脈打ったり、呼吸が浅くなったりしませんか?
これはストレスを感じ、交感神経が優位に立った状態です。
ストレスを感じる場面、いわば危機的状況に対して、迅速かつ的確に動くための反応です。
一方の副交感神経は、リラックスさせる効果のある神経です。
心拍数や呼吸をゆったりとしたものにして、消化機能を助長させます。
副交感神経が優位の時には、免疫力が向上、体を健康な状態へと導いてくれます。
その他、新しいことに気が付いたり、アイデアが浮かんだりするのも、副交感神経が優位の時が多いとされています。
漫画家さんでも、お風呂や布団に入った時によくアイデアが浮かぶと言いますね。
ちなみに、お風呂も布団の中も、メモするものが無い場所なので、そのままアイデアを忘れてしまうこともよくあると・・・
現代人はストレスが多く、日常的に交感神経が優位の状態にあります。
瞑想には、交感神経の働きを弱め、副交感神経の働きを強める効果があります。
特にストレスや不安に関して、顕著に効果が表れます。
瞑想を行うことで自律神経のバランスが整う。
これは脳科学の分野で認められた事実なのです。

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瞑想がもたらす効果

心の健康について
瞑想をすることによって、最も大きな効果が認められているのが、人が抱えているストレスや不安の軽減です。これらが原因となるうつ病や摂食障害についても効果があるといわれています。
瞑想を行うことで、ストレスを感じるときに分泌されるコルチゾールというホルモンが、大幅に減少することが分かっています。
身体の健康について
ストレスに起因する、高血圧や心臓病などの病気にも瞑想は効果があると発表されています。ストレスが強くかかる仕事に長時間従事していると、体は常に緊張状態となり、日常的に交感神経優位の状態となります。
すると、心臓病や高血圧のリスクが高まるのです。
血管も詰まりやすくなるため、脳しんとうや脳卒中にもなりやすくなります。
瞑想することによって交感神経の働きを弱め、副交感神経優位の状態にすることができます。
すると体はリラックスし、ホルモンバランスも整うため、これらの病気の改善に効果があるといわれています。
集中力が高まる
瞑想することにより、集中力を高めることができます。集中力は、日々の気分やモチベーションに直接関係することです。
ですから、瞑想することで仕事のクオリティーや売り上げ向上にも結びつくと言えます。

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「意味のある偶然」の増加

これを科学的に証明することは難しいですが、幸運や運命的な偶然と呼ぶべき事象が、体験談として多く報告されています。
理想の人と出会えた、欲しいものがすんなり手に入ったなど。
仕事やプライベートを問わず、いろいろな場面、分野で語られています。
ホルモンバランスが整ったことによる心の持ちようなのか、直感が冴えてきたことによる気付きなのか。
あるいは良い結果の「引き寄せ」が起こったのかも知れません。