宝塚・首地蔵 どうして首だけ?できた理由と宝塚駅からの行き方、ご利益について

首地蔵 宝塚

兵庫県宝塚市・小浜。

この場所はかつて交通の要所でした。

今も豊臣秀吉ゆかりの寺が残る歴史街道があります。

 

そしてこの町には首地蔵と呼ばれる、巨大な首だけのお地蔵様が祀られているのです。

 

一体どんな「いわく」があるのでしょうか・・・

今回は宝塚市にある、巨大な首だけのお地蔵様について紹介します。






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宝塚駅から首地蔵までの行き方

首地蔵 宝塚 街並み
兵庫県宝塚市。

宝塚歌劇で有名なこの町に、首地蔵」という巨大な首だけのお地蔵様がお祀りされています

 

首地蔵は駅からは離れた場所にあり、

駅から徒歩で行く方法と、

バスに乗って行く方法があります。

 

徒歩でいく場合、最寄駅は阪急電鉄・宝塚線売布神社(めふじんじゃ)駅」になります。

売布神社駅から南へ徒歩20分ほどの所にある「小浜宿」に首地蔵があるのですが、

バスで行ったほうが分かりやすいと思うので、今回の記事では宝塚駅からバスで行く方法を紹介します。

 

宝塚駅は、JRと阪急電鉄の2つの駅があるのですが、どちらの駅から降りても問題ありません。

2つの駅は道路を挟んだ場所にあり、地理的にほぼ同じ場所にあるからです。

そして首地蔵へ行くには、JR宝塚駅と阪急電鉄宝塚駅の間あたりにバス停がある、阪神バスを利用します。

阪神バス「阪神尼崎駅」行きか、「阪神杭瀬駅北」行きのバスに乗ってください。

 
ではありません!誤植じゃないよ!
 

阪神バスに乗って10分くらいの場所、

小浜(こはま)」というバス停で下車します。

 

首地蔵 宝塚 小浜 バス停
 

 

 

バスの進行方向に視線を向けると「小浜」という交差点があるので、そこを左に進み、

 

首地蔵 宝塚 小浜
 

 

 

高架をくぐった信号を渡ると、そこが小浜宿の入り口です。

 

首地蔵 宝塚 小浜宿入口
 

 

宿場町の雰囲気を出すためでしょうか。

普通のアスファルトではなく、茶色い舗装がされています。

 

小浜は江戸時代、有馬街道の宿場町として栄えた場所でした。

しかし1995年の阪神淡路大震災により多くの歴史ある建物が倒壊してしまい、

今は残念ながら宿場町の雰囲気はほとんどありません。

 

 

やや車の往来のある坂道を登ってまっすぐ行くと、右手に小学校が見えてきます。

 

首地蔵 宝塚 小浜 小学校
 

その辺りに「大へん古い道標」と書かれた説明板がありますので、そこを左に曲がり、
今度は坂を下って行きます。

 

首地蔵 宝塚 小浜 目印
 

 

 

周囲に線香の香りが漂ってきた頃、

坂道の途中、左手に高台が現われます。

 

首地蔵 宝塚 石段
 

石造りの階段を上った先に「首地蔵」があります。

 

巨大な首だけの「首地蔵様」

首地蔵 宝塚 画像
短くて急な階段の上に、首だけのお地蔵様がいらっしゃいます。

 

 

階段のすぐ脇に「谷風岩五郎」と彫られた古い墓石があるので目印にしてください。

ちなみに、この谷風岩五郎という人は宝塚出身の大昔の関取で、大関まで上り詰めた方なのだそうです。

 

首地蔵 宝塚 墓
 

 

 

石造りの階段を上っていくと、大きなお顔のお地蔵様が眼前に迫ってきます。

 

首だけのお地蔵様は2体あり、

右側には白っぽいお地蔵様が、

左側には黒っぽいお地蔵様があります。

 

首地蔵 宝塚 白い方
 

昔からあったのが白い御影石のお顔で、昭和50年に火災に遭い、お顔が少し欠けてしまいました。

それで町の人々が新たに2代目の首地蔵さまを作ったのです。

初代の首地蔵様は一時引退していたそうですが、現在はまた2代目と一緒に並べられ、こうして祀られています。

 

 

首地蔵 宝塚
 

2代目の首地蔵様は初代より色が黒く、少し背が高く作られています。

お顔の高さは約1.2メートルあります。

 

お地蔵様の手前には柱と屋根だけの護摩堂が設けられています。

屋根があるので雨風は防げるのですが、肝心のお地蔵様の上には屋根がありません。

 

どうやら大正時代の頃、御堂を建てようとしたところ大工さんが病気になり、代わりの大工さんもまた病気になったので、

きっとお地蔵様は屋根の下はお嫌いなのだろう

と屋根を作るのは止め、そのまま外に置かれているそうです。

 

どうして首だけなの?

首地蔵 宝塚 案内板
▲敷地内にあった案内板

 

町の中に佇む、首から上だけの大きなお地蔵様。

 

首だけのお地蔵様という異様な姿と、

何よりもその大きさに、一見すると驚く人の方が多いかも知れません。

 

実際に知り合いに首地蔵の画像を見せると、「怖っ!!」と慄いていました。

 

一体、いつ造られたのか?

どうして首だけなのか?

 

疑問は尽きませんが、首地蔵がいつ頃造られたのか、残念ながら由来などはよくわかっていないそうです。

 

考えられている説としては、

 

小浜がかつて海だった頃に首が浜に打ち上げられた

近くの武庫川から流れてきた

伊丹(宝塚の隣の市)のお殿様が持病の頭痛を治してもらったお礼に寄進した

 

といった話が伝わっていますが、はっきりしたことは分かっていません。

 

 

ただ、このお地蔵様の歴史は古く、

1500年頃の『摂陽群談』には、

「首地蔵は”首から上の病気は治してもらえる地蔵さん”」

として全国から参詣者があった事が伝えられています。

 

看板の案内によると、

石段の石積みの中には南北朝時代の印塔の笠が3つ、

石段の左右に鎌倉時代の石灯籠があるそうなので、

首地蔵は『摂陽群談』の記述より前には既に存在していた可能性があります。

 

首地蔵のご利益

首地蔵 宝塚 石仏
首から上だけの大きなお地蔵様は、首から上の病気にご利益があると言われています。

先に紹介したとおり、「首から上の病を治してくれる」という信仰は鎌倉時代からあったそうです。

 

また、ネットの口コミによると、

「首から上の全ての病気に霊験あらたかな首地蔵さまなら、きっと頭も良くなるだろう

と、最近では受験生のお参りも多いとのことです。

 

ですが、首地蔵様が祀られている場所はそれほど広くはなく、

護摩堂にはお賽銭を入れる箱と線香を立てる香炉があるのみ。

お守りや絵馬の販売などはされておらず、絵馬をかける場所も見受けられませんでした。

 

この場所ではただ首地蔵様に向かい合い、純粋にお祈りするだけのようです。

 

おわりに

最近、友人や大学の先輩に会うたびに神社とかパワースポットについて聞かれることが多くなってきました。

 

「○○の祈願にはどの神社がいい?」

「今度●●神社に行くんだけど見所とかある?」

 

私自身、神社や仏閣を訪れるのが好きですし、

呪いとか幽霊とか、ダークな記事が増えすぎているとも思っていたので、

これを機に、神社やパワースポットに関する記事も書いていきたいと思います。

 

兵庫県在住なので、紹介する場所はどうしても関西中心に偏ってしまいますが、

面白いご利益や、変わった施設のある神社仏閣など、

積極的に紹介していけたらいいなと考えております。

 

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。