ある調査によると、日本人は1年のうちに平均して1.4回風邪をひいているのだそうです。
中でも、15~39歳の若い女性は風邪をひく回数が多いらしいので、年に何度も風邪をひいてしまうという人も珍しくないでしょう。
風邪をひいてしまった時に何が困るかというと、体調を崩しても会社や学校を休めないことですよね。
風邪が完治するまでに平均5日かかるとされているのですが、半数近くの人が
「病院へ行くのはひどくなってから」
と回答しています。
休めないし病院にも行けない・・・でも体調は悪い。
そんな頑張るあなたに風邪に効果のあるツボを紹介します!
この記事の目次
ツボって何だろう?
ツボとは
東洋には「気」というエネルギーの概念があり、大地や河川、そして人体にも気が流れていると考えています。東洋医学の場合、「経絡(けいらく)」と呼ばれる気の通り道に沿って、エネルギーが体の中を駆け巡っていると考えています。
気が経絡を正常に流れている状態を「元気」、
逆に気が滞っている状態を「病気」というわけですね。
この経絡の要所にあって気の流れを調節しているのが「ツボ」なのです。
経絡の要所であるツボを刺激して、気がうまく流れるようにし、
その経絡につながる機能を回復させるのがツボ療法です。
ツボの押し方
ツボを押す際の注意点は以下の通り。ツボを押す時は心身ともにリラックスした状態で行う
痛いような気持ちいいような力加減でツボを押す
息を吐きながらツボを押し、息を吸う時に力を抜く
1回3~5秒の指圧を、3~5セット行う
ツボを押すと血液の循環に作用するため、高熱がある時や食後、飲酒後は避ける
それでは風邪に効果のあるツボを紹介していきます!
ひきはじめの風邪に効くツボ
合谷・感冒点のツボを押す

合谷(ごうこく)は、万能のツボと呼ばれ、風邪の症状にも効果のあるツボです。
感冒点(かんぼうてん)は、合谷の裏に位置しており、呼吸器の働きを良くする効果があります。
この2つのツボは、手の甲の親指と人差し指の骨が合わさる谷間にあります。
手のひら側にあるのが感冒点、手の甲側にあるのが合谷です。
反対側の手の親指と人差し指で、両方のツボを挟むようにして、力を入れながら押しほぐしてください。
力の入れすぎに注意して、痛いような気持ちいいような、そんな感じの力加減で刺激しましょう。
風門のツボを温める
東洋医学において風門は、風邪の菌が出入りする場所だと考えられ、風邪の症状の緩和や予防に効果のあるツボとされています。
それでは風門の場所をお伝えしましょう。
首を前に倒すと首の裏あたりに飛び出る骨があります。
その骨から背骨に沿って指2本分ほど下がり、さらに指2本外側の両脇に風門のツボがあります。

左右にある風門を同時に、やや強めの力で5秒間程度刺激します。
押すのが難しいのでしたら、カイロやドライヤーなどを使って風門付近を温めるのも効果的です。
頭痛に効くツボ
風池のツボを押す

風池は慢性頭痛に効果があるツボです。
左右の耳の後ろにあたりを触ってみてください。
指に骨があたっているのがお分かりでしょうか。
そこからさらに指2本分内側に進んだ辺り、ちょうど髪の生え際付近に風池があります。
風池をゆっくり、2〜3秒かけて両手の親指で圧迫した後に、ゆっくりと指を離しましょう。
これを5〜10回セットほど行えば、首周りの筋肉がほぐれていきます。
風府のツボを押す

風府は気管支や肺の働きをよくするツボで、頭痛や自律神経の乱れなどに効果があります。
風府は首と頭との境目よりやや上あたりにあります。
首と後頭部の境目あたりに、頭を支える太い二本の筋肉がありますね。
その太い二本の筋肉に挟まれた、指一本分の幅のくぼみがあるはずです。
そのくぼみが風府です。
このくぼみをグーっと親指の腹で圧迫しましょう。
ぐっと親指を上に向かって押し揉んで刺激します。
「押す → 揉む → 押す・・・」の動作を、20~30回繰り返し行ってください。
今までぼんやりと重かった頭が、スッキリするはずです。
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くしゃみ、鼻水、鼻づまりに効くツボ
迎香のツボを押す

迎香は風邪によるくしゃみや鼻水の症状に効果的なツボです。
迎香は、鼻孔のすぐ外側の小鼻(鼻柱の左右のふくらみ)の横にあります。
迎香のツボに中指の腹をあて、3秒押したら6秒休む。
これの流れを1セットとして、
15セットほど、ゆっくりと押しながら小さな円を描くように刺激していきます。
睛明のツボを押す

睛明も、風邪による鼻水や鼻づまりの症状に効くツボです。
睛明は、目頭と鼻の付け根の骨との間にあります。
長時間目を酷使して疲れた時、思わず押さえてしまう場所がありますよね。
そこが睛明です。
睛明に指の腹をあて、押しこむように刺激します。
睛明を刺激することで、鼻が通るようになりスッキリします。
印堂のツボを押す

印堂も鼻水を止める特効のツボです。
印堂があるのは両眉の付け根の中間あたり。
親指の先で少し強め、軽く痛みを感じるくらいの力で押してください。
グッグッと十文字に押したあと離します。
この動作を、鼻がスッキリしたと感じるまでしばらく繰り返してください。
天柱のツボを押す

天柱は、鼻づまり、鼻血、耳鳴り、むちうち症、寝違え、のぼせなど、
頭や首に関する症状全般に加え、
疲労、むくみ、だるさ、冷えなどの改善にも効果のあるツボです。
風府の時にお話しした、首と後頭部の境目あたりに太い二本の筋肉があります。
その太い二本の筋肉の外側にある左右のくぼみが天柱です。
後頭部で両手を組み、天柱に親指をあてたまま頭を後ろに傾け、ツボをぐ~っと強く押します。
のどの痛みに効くツボ

天突は、風邪によるのどの痛みや咳、その他にも息切れやしゃっくりにも効果のあるツボです。
天突は首の付け根の鎖骨と鎖骨の間にあるツボで、左右の鎖骨を結んだ中央部の窪みにあります。
この窪みに人差し指か中指を当て、骨の裏側を押すようなつもりでやわらかくそっと、体の奥へ向けて静かに押します。
天突の下には気管が通っているため、手を滑らせて喉を突かないように注意してくださいね。
ゆっくり3秒押したら3秒離す。
これくらいのペースで、刺激するのは2回程度にとどめておいてください。
咳が辛い時に効くツボ
咳が出て辛い時は、尺沢(しゃくたく)を押すと楽になります。胸が苦しい時、のどが痛いときなど呼吸器系全般に効くツボですが、特に咳への効果が期待できます。
尺沢は腕にあるツボで、肘の内側にあります。
肘を曲げたときにできるシワの上、中央より少し外側にあるくぼみが尺沢です。
深呼吸して、ゆっくりと5秒ほどかけてツボを押します。
これを3~5回繰り返します。
痰がとれない時に効くツボ

痰がとれなくて辛いときに効果のあるツボが魚際(ぎょさい)です。
手のひらを上に向けると、親指の付け根に盛り上がったところがありますね。
この盛り上がったところの真ん中にあるのが魚際です。
反対側の手の親指をツボにあて、残り4本の指で裏側から手を支えます。
そして、親指でぐりぐりと円を描くように押し揉みを行います。
寒気に効果のあるツボ

寒気がすると感じたら大椎(だいつい)を押してみてください。
このツボは先に紹介した風門と同様に温めることでも効果を発揮します。
大椎は、体を守る温かい気の巡りを良くするツボといわれ、体表の機能を高める効果があります。
首を前に倒した時、首と背中の付け根に飛び出る骨のすぐ下のくぼみに、大椎があります。
指圧する際は、人差し指または中指でゆっくり押し、大きな円を描くように回して押していきます。
大椎の上下にある骨にも、刺激を与えるような感じで回して押すとより効果的です。
これを2~3分程度行います。
このとき力を入れ過ぎるなど、刺激が強すぎると痛みが残りますので注意してください。
大椎がある周辺をドライヤーやカイロで温めることでも効果があります。
温めた後にツボ押しをするとなお効果が見込めます。
大椎を刺激することで解熱作用が働き、風邪による寒気が和らぎます。
くしゃみを止めたい時は、鼻の下を抑える
くしゃみが出そうな時、鼻の下と口の間にあるくぼみを抑えるとくしゃみが止まります。
そこにはくしゃみをしようとする神経の伝達を止めるツボがあり、そこを圧迫するとくしゃみが止まるのです。
授業中や会議中など、大きな音が出せない状況で困ったら使ってみてください。
おわりに
風邪に効果のあるツボを紹介していきました。風邪を治すのに一番いいのは、病院へ行って薬をもらい、十分な栄養をとってぐっすり眠ることなのですが・・・
あなたの風邪の症状に合わせたツボを刺激して、早く元気になってください!
くれぐれも無理はなさらないように・・・ご自愛くださいませ。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。