平成30年7月豪雨
7月6日より四国・近畿地方を中心とする豪雨が降り注ぎ、合わせて11府県で大雨特別警報が発表され、多くの死者と行方不明者を出す大災害となりました。
私の住む兵庫県でも横から叩きつけるような雨が連日降り注ぎ、各電鉄会社は運転を見合わせ。
交通がマヒしているため従業員のほとんどが出社できず、会社も休みになりました。
さらに市からは土砂災害警戒による避難勧告が出され、自宅から2番目に近い小学校まで避難所として解放されていました。
「家から一番近い避難所が解放されたら家族を連れて避難しよう・・・」
と考えた時、ふと思ったのです。
避難勧告や避難指示という言葉の違いってなんだろう?
どこからが「避難すべき」基準なんだろう?
発令を無視して避難しなかったらどうなるんだろう?
豪雨が過ぎ去った今となっては手遅れかもしれません。
ですが今後同じような災害が起こらないとは限りません。
その時に誰かのお役に立つことができればと思い、記事としてまとめておきます。
(アイキャッチ画像はイメージです)
この記事の目次
避難勧告と避難指示の違い 「避難指示」の方が状況は深刻!

避難の呼びかけには「避難勧告」と「避難指示(緊急)」の2種類があります。
その他に「避難準備・高齢者等避難開始」が出される場合もあります。
この中で最も緊急性が高く、強制力が強いのは「避難指示(緊急)」です。
その次が「避難勧告」で、一番弱いのは「避難準備・高齢者等避難開始」となります。
それでは順番に発令の基準や詳細について見ていきましょう。
避難準備・高齢者等避難開始
避難勧告や避難指示が出されても、誰もがすぐに避難できるというわけにはいきません。たとえば高齢者や障がい者、乳幼児など、こうした人たちは避難するのにはどうしても時間がかかってしまいます。
避難勧告や避難指示が発令されることが予想される場合、
避難に時間がかかる人のために早めの避難を呼びかけるのが「避難準備・高齢者等避難開始」です。
かつては「避難準備情報」という名称でしたが、わかりやすくするために「避難準備・高齢者等避難開始」という名前になりました。
洪水など、人的被害が発生する可能性が高まった状態で発令されます。
災害で身の危険を感じている人
避難に時間を要する人(高齢者や障がい者、乳幼児など)
はこのタイミングでの避難がすすめられています。
避難勧告
避難勧告は、台風、津波、洪水、土砂災害、大規模火災、原子力災害といった災害による被害が予想され、人的被害が発生する可能性が高まった場合に発令されます。対象地域の住民に、避難所などの安全な場所への早めの避難を促すためのものですが、避難を強制するものではありません。
拘束力はありませんが、必要に応じて早めの避難をして下さい。
避難指示(緊急)
避難指示(緊急)となると事態はかなり深刻なものとなります。火災や洪水といった災害が発生するなどして状況がさらに悪化し、
人的被害の危険性が非常に高まった場合、あるいは人的被害が発生した場合に発令されます。
避難指示も避難準備情報 と同様、かつては「避難指示」という名称でしたが、わかりやすくするために「避難指示(緊急)」という名前になりました。
避難指示(緊急)が出た場合は直ちにその場から離れ避難しなければいけません。
ただし、外出することでかえって命に危険が及ぶような状況では、屋内のより安全な場所に身を置くようにしましょう。
避難勧告等の呼びかけが発表された場合、公民館や小学校の体育館等に避難所が開設されるはずです。
詳しくはお住いの市町村にご確認ください。
また、避難勧告と避難指示は必ずしも段階的に発令されるとは限らないので注意が必要です。
避難勧告や避難指示を無視したらどうなる?罰則は?

避難勧告や避難指示には法的な強制力はなく、地域の住民が避難しなかったとしても罰則はありません。
ですが避難勧告や避難指示が発令された以上、その地域はかなり危険な状況になっているのは間違いありません。
たとえ罰則がなかったとしても、あなたの住んでる地域が該当する場合は早めに避難し、自分や家族の身を守るようにしましょう。
もし逃げ遅れてしまった場合は、生命を守る最大限の努力をするようにしてください。
避難所への避難を嫌がる人々

冒頭でお話しした通り、私が住んでいる市では土砂災害警戒による避難勧告が出され、自宅から2番目に近い小学校まで避難所として解放されていました。
「家から一番近い避難所が解放されたら家族で避難しよう」
家族にこう提案したとき、真っ先に避難するのを嫌がったのは父でした。
父は70歳でしかも視覚障がい者。
むしろ避難勧告より前段階の「避難準備・高齢者等避難開始」で避難しておくべき人間です。
ですが・・・避難所を嫌がる父の気持ちもわかるのです。
私たち家族は23年前の阪神淡路大震災にも被災しています。
その時住んでいた家や家族の身には問題はなかったものの、
地震で家を失い、避難所での生活を余儀なくされた友人・知人の辛い姿を何人も見ています。
しかも最寄りの避難所といっても1キロ以上離れた場所にあります。
大雨と暴風が吹き荒れる中、高齢かつ視覚障がい者の父をそこまで連れて歩くのは難しい。
だからといって、避難所となっている小学校に車で乗り付けるわけにもいきません。
今回の「平成30年7月豪雨」を見ても、ほとんどの人が避難勧告・避難指示が出ても避難していなかったことが報道されています。
そこで避難するかどうかの判断と父への説得に使ったのがハザードマップでした。
ハザードマップとは、浸水や土砂災害などの自然災害による被害を予測し地図に描いたもの。
各地方自治体でまとめていると思うので、
「お住いの市町村名 ハザードマップ」
「お住いの市町村名 防災マップ」
と検索すれば見ることができるはずです。
市のハザードマップを確認すると、私の家は浸水の区域には入っていたものの、
避難勧告の出ている「土砂災害」の区域には入っていませんでした。
そこで父にハザードマップを見せ、
最も近い避難所が解放された場合
洪水に関する避難勧告が出された場合
には避難所へ向かい、それまでは自宅で状況の様子をみるということで納得してもらいました。
その後、次第に雨はおさまり、避難勧告や各警報は次第に解除され、
運転を見合わせていた電車も復旧し、週が明ける頃にはいつもの日常を取り戻しつつありました。
もし豪雨が止まずむしろ酷くなり、外に出ることさえ危険な場合、
自宅の中でもより安全と思われるところに移動する「在宅避難」という考え方があります。
在宅避難についても後日また記事にしたいと思います。
おわりに 西日本豪雨の報道で思ったこと
7月6日に大雨特別警報が発令され、もう1週間が経とうとしています。ニュースを見るたびに死者数が増えていく連日の報道に気持ちが重くなるばかりです。
そしてネット上ではこの度の豪雨に際し、行政やメディアを叩く論調が目立つように感じました。
「気象庁が注意を促す中、自民党は飲み会をやっていた」
「同日、立憲民主党もパーティーを開いていた」
「死者・行方不明者数がこれほど出ているのにメディアでの扱いが小さすぎる」
「西日本で起きた災害など所詮は他人事なのか」
たしかに豪雨に見舞われた側として、思わないことはなくはないです。
ですが連日の大雨で私が心配していたことといえば、
「雨が続くから洗濯物が乾かなくて着る服がないな」
「雨に濡れるのが嫌だからネットの注文はやめておこうかな」
なんて暢気なことを考えていました。
泥水に浸かった岡山県・真備町の惨状を見て、やっと事の重大さを思い知ったのです。
大雨が降った西日本にいた人間ですらこの程度の認識です。
行政もメディアも警報が出た地域に住んでいた人も、
これほどの大惨事になるなんて誰も予想できなかった。
もちろんこの災害を受けて、反省すべき点は多々あるでしょう。
だからといって、亡くなった多くの命を政権やメディアを叩くネタにしてほしくないのです。
大雨特別警報や避難勧告、避難指示など、テレビや防災アプリには見たことのない文字が表示され、意味のわからない私たちはただ不安で慌てるだけでした。
テレビのアナウンサーは「逃げてください」とただ連呼するばかりで、
どこへ、何を持って、どうやって逃げればいいのか、具体的なことは何一つわかりませんでした。
当ブログのテーマにしているオカルトとは関係ありませんが、
豪雨の間に私たちが欲しかった情報やそれについて調べたことなどを文章にまとめ、しばらく記事にしていきたいと思います。
今後、誰かのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。