空から魚が降ってくる! 謎のファフロツキーズ現象

空から魚 ファフロツキーズ





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ファフロツキーズ現象とは

ファフロツキーズ現象とは、
「その場にあるはずのないもの」
が空から降ってくる現象をいいます。

日本では「物体落下現象」と呼ばれています。

 

空から魚やカエルといった生物、硬貨や金属といった無生物が降り注ぐ、このような事象は、古来より世界各地で報告されています。

旧約聖書にもファフロツキーズと思しき記述があり、モーゼに率いられたイスラエル人が砂漠をさまよっていた間、空から「マナ」と呼ばれる食糧が降り注ぎ、食糧問題が解決されたという描写があります。

日本でも和漢三才図会に「怪雨」として記録されています。

 

ファフロツキーズとは造語で、「オーパーツ」の名付け親でもある超常現象研究家アイヴァン・サンダーソンが、「空からの落下物」を意味する「falls from the skies」から作りだした略語です。

ファフロツキーズについての報告は紀元前の時代からあり、現代までその奇妙な現象の報告は続いているのです。

 

ファフロツキーズ現象の事例

ファフロツキーズ 空から魚
ファフロツキーズ現象は魚に関する事例が最も多く報告されています。

 

1859年2月11日、イギリス・南ウェールズのアバデエアで、最長13センチの魚が、まるで雨のように屋根や庭に降った。その標本は大英博物館に送られ、ヤナギバエの稚魚であると判明した。

 

1861年2月、シンガポールでは、数日続いた激しい嵐の後、55エーカーの土地一帯が、その地方に棲息するナマズで埋め尽くされていた。魚をかき集める住人は、魚は空から降ってきたと主張した。

 

2000年8月、イギリス・グレートヤーマスでは、民家の庭一面に海の魚が降り注いだ。

 

2010年2月、オーストラリア・ラジャマヌでは、2日間にわたりスズキが大量に空から降ってきた。スズキは、降ってきた時にはまだ生きていたという。

 

『国際フォート協会ジャーナル』誌第14号には、オーストラリアに降った魚に関する記録が53例も収めてある。

 

カエル

ファフロツキーズ 空 カエル
1686年、イギリス・ノーフォーク村に大量のカエルが降った。カエルは屋内にも侵入してきたので、カエルの生臭さに閉口した居酒屋の主人は、シャベルで火に投げ込んだり空き地に捨てたりした。翌日、カエルの姿はどこにもなかった。

 

1954年6月12日、イギリス・バーミンガムで、ある婦人が雨宿りをしていた時、何百ものカエルが降るのを目の当たりにした。カエルは往来の人々の傘にあたって跳ね返り、周囲を飛び回った。

 

ファフロツキーズ 空 鳥
1896年、アメリカ・ルイジアナ州で、数百羽の鳥が落ちてきた。その日の空は快晴だった。鳥の種類は、ノガモや北米産ネコマネドリ、見慣れない羽毛の鳥とともにカナリヤらしき鳥も混じっていた。落ちてきた鳥は全部死んでおり、街は鳥の死骸で覆われた。

この事件は、渡り鳥が嵐に遭遇し、通常のコースから叩き出されたものと考えられたが、なぜ数百羽もの様々な種類の鳥が同時に、そして同じ場所で死んで落ちてきたのかは説明できないままだった。

 

1969年1月、メリーランド州の上空で、数百羽のカモの群れが何者かに叩き落とされた。まるでカモたちが、目に見えず音も出さない静かな爆発の中に飛び込んだかのように、落下する鳥の他には何の影も音も聞こえなかったという。

カモの体には多量の出血が見られ、肋骨を複雑骨折していたというが、その外傷は地面に叩きつけられたためではなかったという。

 

お金

ファフロツキーズ 空 お金
1957年4月、フランスのブールジュにて、千フラン紙幣が何千枚も降った。そして捜査の甲斐もなく落とし主は見つからなかった。

 

1968年イギリス・ラムズゲイトでは、15分ほどの間に50枚ほどのペニー銅貨が落ちてきた。降ってくるのは見えず、歩道に落ちてはね返る音が聞こえるだけだった、という。不思議なことに、銅貨は全て折れ曲がっていた。

 

1976年1月、西ドイツ・リンブルクにて、二人の牧師が紙幣2000マルクを拾った。紙幣は青空から、ひらひらと舞い降りてきたという。

 

氷の塊

ファフロツキーズ 空 氷塊
1950年11月、イギリス・デヴォン地方にある農場に、大きな皿ほどもある氷塊が散らばり、その近くには首を切り落とされた羊の死骸があった。6.4キロもある鋭い氷塊が、羊の首を切り落とし、地面に突き刺さっていたのだという。

 

1951年1月10日、西ドイツ・デュッセルドルフで、屋根に上って作業していた大工が死亡した。大工の体は、長さ1.8メートル、直径15センチの槍のような氷に刺し貫かれ、絶命していたのだ。

 

色のついた雨

ファフロツキーズ 空 色の付いた雨
1841年8月17日、アメリカ・テネシー州のタバコ畑に、大粒の液体が音を立てて降ってきた。上空の奇怪な赤い雲から糸を引くように液体は降ってきて、驚いた奴隷が近づいて見てみると、血にそっくりだったという。

 

1876年3月8日、アメリカ・ケンタッキー州にて、食用肉のコマ切れが大勢の人たちの目の前に落ちてきた。この肉はまったくの新鮮で、目撃者が思い切って食べてみると、羊肉とも鹿肉とも思える味がしたという。科学者は目撃者の証言を退け、コンドルが吐き出したものだと結論付けた。

 

1891年5月15日、イタリア・メッシニャーデで血のような液体が降った。イタリア気象局は鳥の血と断定し、鳥の群れが暴風に吹き叩かれたためだと説明した。しかし当時激しい暴風の記録はなく、ずたずたに引き裂かれた鳥の遺骸なども見当たらないことに気象当局は当惑していたという。

 

 

これら以外にも、ワニや亀、サメ、クラゲ、ミミズ、蜘蛛、植物、金属の落下が報告されています。

 

ファフロツキーズに対する仮説

ファフロツキーズを合理的に説明するものとして、「竜巻説」や「鳥の食べこぼし説」、「大量発生説」などが仮説として提唱されています。

 

竜巻説

現在、最も有力だとされている説です。

竜巻が地上・海上で発生し、生き物もろとも空中に巻き上げて移動し、遠くまで運ばれ離れた地点に落下させるというものです。

日本においては竜巻の6割は海上、また海岸線付近で発生しており、海水と一緒に魚が撒き上げられた可能性はあります。

事実、イギリス・マージーサイド州で起きた事例では、池の水と魚が竜巻によって大量に巻き上げられている様子が目撃されており、巻き上げられた水と魚は、約2㎞離れた運動場に降っていたことが後に判明しています。

 

しかし竜巻説では、ファフロツキーズの事例にみられる、魚やカエルが1種類しか落下しないという特徴の説明ができません。また、生き物だけでなく水や土、小石、草木等が同時に巻き上げられるはずです。

また、落下地点から100キロ圏内には棲息しない生き物だった事例や、数時間から数日に渡って落下物が降り続ける例もあるため、竜巻説で全てを説明することは難しいと考えられます。

 

鳥類説

降ってきた生き物が鳥の餌になるものなら、鳥が上空で落としてしまった可能性があります。

 

2009年石川県七尾市で話題になった「オタマジャクシ騒動」。これはサギが原因ではないかと推測されています。

サギはオタマジャクシを捕食する鳥で、子育てのため胃から食道にかけ、どんぶりいっぱい程度のオタマジャクシを運ぶことができます。巣に帰るために飛行中、驚いたか襲われたかが原因でオタマジャクシを吐き出し、空から降ってきたように見えたのだと考えられます。

 

大量発生説

古くから唱えられている説で、カエルの事例でよく引き合いに出されます。

ヨーロッパに広く分布するヨーロッパ・ヒキガエルは非常に繁殖力が強く、短期間で膨大な数に増えることがあると言います。

気候の変化により、繁殖したカエルが数万単位の集団で水場を離れ、人間に目撃されるような場所に突然現れれば、あたかも空から降ってきたようにと勘違いされるというもの。

 

しかしこの説では、降ってきた生物が、落下地域から数百キロ圏内には棲息していなかったり、カエル以外の生物が大量に降る事例、特定の場所に何度も降ってくるといった事例などは説明できません。

 

大気圏藻海

最後に、チャールズ・フォートが提唱した大気圏藻海という考えを紹介します。

この藻海は大気圏の上層部にあって、地球からの物体を一時捕獲しておき、ときどき雨のように降らせるのだと彼は言いました。

他に水源のない、掘ったばかりの池や堀にいつのまにか魚が棲んでいるという実話から、それら池や堀に魚がテレポートしてきたのだとフォートは主張します。

 

1892年6月バーミンガム市に降ったカエルは、現地に棲むカエルとは違い、白い体色をしていたといいます。その他、ファフロツキーズ現象では死魚が降ることも多く、中には泥のように腐乱したものが降った事例もあります。

これは大気圏藻海に長い間浸っていたために起きた変化だというのです。

 

古代魔術の秘儀のように、欠落のある存在は自然に何かを取り込んで欠落部分を満たす。

 

魚という存在が欠落した池や堀は、魚をテレポートさせて欠落部分を満たしたというのです。